メンタルヘルスマネジメント検定2種のお勉強40 管理監督者による職場復帰支援の実際

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メンタルヘルスマネジメント検定2種の要点40回目のはじめに

管理監督者が職場復帰支援を行うには、その各段階における内容やポイントをおさえておく必要があります。ステップごとに実施すべきことや、連携の方法などを理解しておくことが大切です。

 

ステップ1:病気休業開始時と休職中のケア

休業の判断がなされた時点から職場復帰支援を開始します

主治医から復職に関する診断書が出されてからではなく、休業開始の判断がなされた時点で開始することが望まれます。

病気休業の開始

人事労務管理スタッフだけでなく、事業場内産業保健スタッフにも連絡を入れます。場合によっては休職までの期間に事業場内産業保健スタッフからのフォローを受けることも必要です。

管理監督者だけでなく、事業場内産業保健スタッフとの連携を図る

休業中の従業員への連絡の頻度や内容は、病状やほかの状況によって判断します。

  1. 安心して療養に専念するよう、働きかけましょう。刺激を与えないように一切連絡を取らない必要以上に頻繁に連絡を取るなどは、適切なケアに結び付きません
  2. 職場状況や復職支援に関する仕組みについて、また傷病手当金制度など必要な情報を知らせます
  3. うつ状態の労働者からの辞職や役職の辞退などの申し出があった場合は、健康状態が回復してから判断すればよいとアドバイスしましょう。

休業中のケア

必要な場合は、本人の了解を得たうえで事業場内産業保健スタッフを中心に主治医との連携を図りましょう。

休業開始後の関係者間の連携や、主治医との連絡方法などについて、職場復帰支援に関するルールと関連付けて取り決めておきましょう。

 

ステップ2:主治医による職場復帰可能の判断

従業員から職場復帰の希望を伝えられた管理監督者は、主治医の診断書(復帰診断書)を提出するよう、本人に伝えます。

復職診断書には、必要と思われる就業上の配慮事項などを記載するよう、アドバイスしておきます。

診断書が一般的な書式のものであっても就業上の配慮について記載が追記されていれば有効に使えます。

特に産業医の選任がなされていない企業にとっては、主治医の意見を求めるための良い方法となります。

関係者(本人、管理監督者、人事労務管理スタッフ、事業場内産業保健スタッフなど)の間で、職場復帰支援のための面接日を調整しましょう。

診断書の準備

診断書を企業独自のフォーマットで用意する場合、記載すべき内容やプライバシーについて十分な検討を行って、本人の同意を得たうえで使用します。

 

ステップ3:職場復帰の可否の判断と復職支援プランの作成

主治医による職場復帰の判断は症状の評価を中心に行われます

本人が職場復帰を焦り、主治医に職場復帰につながる診断書を希望する可能性もあるので、主治医からの診断書だけで職場復帰の判定を行うことは避けましょう

 

従業員の病状だけでなく、職場環境の評価とあわせて判断しましょう

本人を含む必要な関係者と情報交換を行い、総合的に判断します。

 

従業員の職場復帰

本人の職場復帰に対する明確な意思を確認するとともに、試し出勤制度などを取り入れて状況を判断することが大切です。

 

主治医との情報交換におけるポイント

  1. 健康に関する高度なプライバシー情報なので、本人の同意を得たうえで産業医が中心となって行うべきです。
  2. 安全配慮義務を履行するうえで必要な情報を中心に収集しましょう。
  3. 就業上の配慮に関する意見を主治医に確認する場合は、厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に示される「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を用いることが望まれます。

 

業務遂行能力の評価の例

  1. 少なくとも通勤時間にひとりで安全に通勤できること
  2. 必要な時間勤務できる程度に精神的、身体的な力が回復していること
  3. 規則正しい睡眠覚醒リズムが回復していること

業務遂行能力を高めるためにもリワークプログラムが有効であり、利用が推奨されています。

 

具体的な職場復帰支援プランの作成

職場復帰が可能と判断されれば、管理監督者や事業場内産業保健スタッフなどは、職場復帰支援プランを作成します。

プラン作成にあたっては、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に示される「職場復帰支援プラン作成の際に検討すべき内容」を参考にするとよいでしょう。

またプラン作成のポイントは以下の通りです。

  1. 回復の経過に合わせ、複数の段階を設定して、段階に応じた内容や期間を設定します。
  2. フォローアップについても、タイミングなどを明確にしておきます。
  3. 再燃・再発を防ぐための工夫を織り込みます。

 

プラン作成時の検討事項

事業場内産業保健スタッフの意見を聞きながら具体化していきます。

  1. 管理監督者が行う業務上の配慮
  2. 人事労務管理上の対応(配置転換や異動など)

 

ステップ4:最終的な職場復帰の決定

職場復帰可能の判断、職場復帰プラン、産業医の意見書などをもとに企業のトップによる最終的な職場復帰の判断を行うことが望まれます。

判断の結果は、状況の変化に合わせて適宜更新する必要があります。

 

ステップ5:職場復帰後のフォローアップ

管理監督者には、フォローアップにおいて重要な役割があります。本人について以下の点に注意する必要があります。

  1. 受診の様子
  2. 症状の再燃の有無
  3. 業務遂行能力や勤怠の状況
  4. 意見書で示されている就業上の配慮の履行状況

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