メンタルヘルスマネジメント検定2種のお勉強07 管理監督者の役割

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メンタルヘルスマネジメント検定2種の要点7回目のはじめに

ラインによるケアは、メンタルヘルスケアの中でも非常に重要な位置づけとなります。従業員と日常的に接することで、健康状態を把握し、必要な措置が取れるなど、管理監督者の役割を理解することが重要です。

職場環境改善の方法

改善の対象は、物理的な環境だけではありません

職場環境等の改善の対象は、広くとらえる必要があります。例えば以下のようなものが挙げられます。

  1. 作業環境・作業方法・施設・設備などの物理的職場環境
  2. 労働時間
  3. 仕事の質と量
  4. 職場の人間関係
  5. 職場の組織・人事労務管理体制
  6. 職場の文化・風土

その他改善のポイントは下の図のようになります。

職場環境改善のポイント
段階改善のポイント
1.メンタルヘルス不調が現れていないときメンタルヘルス不調者出た時だけでなく、普段よりメンタルヘルス不調者を出さないための予防として改善を継続する
2.メンタルヘルス不調者が現れたとき(休職など)原因(仕事量、業務内容、人間関係など)を調査のうえ、改善を図る。原因が個人的なものでなく、職場環境に起因したものである場合、その後も不調者が出ることにつながる。
3.メンタルヘルス不調者が既にいる時休職者以外の職場に残っているメンバーのメンタルヘルスケアが重要となる。
・人員の再配置などの業務サポート
・声かけなどの精神的なサポート
休職者が職場復帰する際の職場の環境整備を行うこと。

 

従業員への相談対応について理解する

部下のストレスに対し適切に対処するためには、ストレスをできるだけ早期に把握することが大切です。うつ病を発症し欠勤が頻発するなどの深刻な状況に発展する前に、ストレスの早期発見と早期の対応が求められます。

 

ストレス調査とコミュニケーションでストレスを把握する重要性

ストレスを把握するためには、部下とのコミュニケーションが基本であり、かつ最も重要です。部下との対話の中で、その言葉だけではなく、表情や態度などから察知・把握することもできます。

  1. 言葉による言語的コミュニケーション:バーバルコミュニケーション
  2. 言葉によらない非言語的コミュニケーション:ノンバーバルコミュニケーション

これらをうまく使い分けて部下のストレス把握に役立てましょう。また、コミュニケーションを取ることで、部下の不調をいち早く発見することにもつながります。

Birdwistellは、2者間の対話において言葉によって伝えられる「言語的コミュニケーション」は約35%、言葉以外の「非言語的コミュニケーション」が占める割合は65%にも上ると説いています。

 

部下のストレスへの対応

  1. ストレスや心の健康問題は個人差が大きいことに注意しましょう
  2. 自分の部下の問題だからといって自分だけで解決を図ったり、対処しようとしないことが重要です。必要な資源への相談が重要となります。
  3. 事業場外の産業保健スタッフ等の助言を受け、より適切な対処を取ることが重要です。
  4. 部下の話を聞くときは、相手の気持ちに焦点を当てることが重要です。

 

労働時間管理の重要性を理解する

長時間労働は健康状態に影響を与えます

長時間労働などの負荷が恒常的に長期間に渡って発生した場合、ストレス反応も持続し、それが過大となって回復が難しくなります。また精神的疲労はうつ病等のメンタルヘルス不調を発症させる有力な原因となり得ます。

そして、長時間労働による慢性的な睡眠不足は、脳血管疾患などをはじめ、虚血性心疾患、高血圧、血圧上昇などの心血管系への影響が指摘されています。

 

脳血管疾患及び虚血性心疾患と業務は関連付けることができます

過重労働による健康障害防止のための総合対策では、下の図のように業務と疾患の関連付けの評価を行っています。

更に、過重労働時間ごとに面接指導を実施する義務があります。

業務と脳血管疾患、虚血性心疾患の発症との関連
過重労働時間(1か月あたり)業務と発症との関連
100時間を超えるまたは2-6か月にわたり概ね80時間を超える時間外労働業務と発症との関連が強いと認められる
発症前1-6か月間に45時間を超える時間外労働業務と発症との関連が徐々に強まる
発症前1-6か月間に45時間以内の時間外労働業務と発症との関連が弱い(関連が薄い)

 

過重労働の延長には限度が定められています

労働基準法第36条2項の規定に基づいて、一般的な労働における時間外労働時間は、限度時間を超える協定を労働組合との間に結ぶことを禁じる基準が示されています。

  1. 1か月単位の時間外労働協定を結ぶ場合は、45時間が限度
  2. 1年の時間外労働協定を結ぶ場合は360時間が限度

 

ラインによるケアの重要性の理解

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、ラインによる職場環境等の改善と、個々の労働者に対する相談対応の両面からの推進を求めています。

特に以下の点をおさえておく必要があります。

  1. 部下の話を聞き、部下のストレスを知り、仕事のサポートにつなげる
  2. 管理監督者は、人事労務に関する知識、組織論の知識、ストレスマネジメントの知識、マネジメント能力、人間関係調整能力(リーダーシップ)などにおける幅広い知識が求められると理解しましょう。

権限を越える改善は、さらに上位の管理者や事業場内外の産業保健スタッフや人事労務部門からの助言や協力を求めるなどの連携が要求されます。

 

管理監督者に求められるリーダーシップ

管理監督者は、メンタルヘルスケア、ヘルスケアのリーダーシップを取り、ラインによるケアを推進する責任があります。

長時間労働や睡眠不足からくる疲労に対して

長期間に渡る長時間労働や睡眠不足からくる疲労蓄積が、血圧の上昇などの症状を引き起こし、血管の病気が自然経過を超えて著しく悪化して、脳血管疾患や虚血性心疾患の発症につながることが医学的に明らかにされています。

1日に6時間程度の睡眠が確保されない状態とは、1日の労働時間8時間を超えて4時間程度の時間外労働を行った場合に相当します。

 

作業環境も付加的要因としての評価が必要です。

温度変化、騒音、時差などの作業環境と、脳や心疾患の発症との関連性は強いとは言えませんが、場合によって過重性の評価に加える場合があります。

 

不規則な業務も心身への影響が大きくなります。

睡眠リズム障害の一因ともなるので、不眠や睡眠障害を起こしやすくなります。

 

精神的な緊張(プレッシャーなど)が与える影響も考慮する必要があります。

2011年12月、「心理的負荷による精神障害の認定基準について」が策定されました。労働時間の管理は、脳、心疾患との関連のほかに、メンタルヘルス不調との関連からも重要性が増しており、評価方法にも反映されています。

 

心理的負荷による精神障害の認定基準について(厚生労働省)へのリンク

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